
💡 この記事のポイント
本記事では、コミュニケーション研修で学ぶPREP法・DESC法を解説します。論理的に伝えるPREP法と、客観的かつ冷静に自己主張するDESC法を組み合わせ、報告・提案・断りなど職場のあらゆる場面で使える伝え方を紹介します。
会議での発言、上司への提案、部下へのフィードバック、取引先への説明——職場には適切なコミュニケーションが求められる場面が無数にあります。
「何を言いたいのかわからない」「感情的になってしまった」「言いたいことが言えなかった」——こうした悩みの多くは、伝え方の「型」を持っていないことが原因です。
それでは、職場のコミュニケーションを変える2つの実践的フレームワーク、PREP法とDESC法を詳しくみていきましょう。
PREP法とは——論理的に「伝わる」構造を身につける

PREP法とは、P(Point:結論)→ R(Reason:理由)→ E(Example:具体例)→ P(Point:結論の繰り返し)の順で、論理的かつ明確に伝えるフレームワークです。
結論を最初に述べることで、相手は「この話は何についてか」を即座に把握できます。ビジネスの場では、相手の時間を尊重し、要点を明確に伝えることが求められます。PREP法はその基本構成となります。
PREP法の4つのステップ
| ステップ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| P(Point) | 結論・主張 | 最初に結論を述べる。「何が言いたいのか」を明確にする |
| R(Reason) | 理由・根拠 | なぜそう思うのか。理由・論拠を示す |
| E(Example) | 具体例・事例 | 実例やデータで説得力を高める |
| P(Point) | 結論の繰り返し | 最後にもう一度結論を述べ、記憶に残す |
職場でのPREP法の活用例
【場面:上司への報告】
P(結論):ソフトウェア更新の件で、オファーのあったA社は見送ることにしました
↓
R(理由):初期費用は他社より安いのですが、メンテ維持コストがたいへん高額です
↓
E(具体例):5年間使用することを踏まえると、従来ソフトより50%高額になります
↓
P(結論):A社ソフトは見送ります。引き続き、他社の良い条件を探します
【場面:顧客との商談】
P(結論):製品XとYをご用意していますが、御社には製品Xをお勧めいたします
↓
R(理由):従来品より価格が20%あがっていますが、処理速度が50%向上しています
↓
E(具体例):御社の場合、処理コストを比較すると2年で製品Xの方が有利になります
↓
P(結論):従来より耐久性も向上しています。今回、ぜひ製品Xをご検討ください
このように、P⇒R⇒E⇒Pの順で、論理的かつ明確に相手に伝えることができます。また、R(理由)とE(具体例)では、具体的な数字を入れて説明した方が、根拠が明確になり説得力が高まります。
PREP法が効果的な場面
- 上司への報告・提案
- 会議での発言・意見
- メール・資料での説明
- 顧客へのプレゼンテーション
ビジネスで特に重要なPREP法
結論から先に述べるPREP法のスタイルは、ビジネスの世界では特に重要です。これは日本だけではありません。
外国の映画やドラマを見ていると、”Give me a headline first. ”というセリフをよく聞きます。これは「まず結論(重要なポイント)を教えてください。」という意味で、まさにPREP法の基本構成のことなのです。映画に限らず実際の国内外のビジネス・コミュニケーションでも、このPREP法のフレームワークが浸透しています。
PREP法でコミュニケーションコストを削減
出来事や考えを、すべて細かく伝えなければいけない。ーーそう思っている方は少なくありません。自分の話をすべて伝えないと気が済まないのかもしれませんが。一方、話を聞く相手は、話が細かすぎて要点が分からず、何の話なのか理解できにくくなるかもしれません。すべての話を伝えるのに要した時間と労力、そして相手も同じく消費――これらの要する時間と労力のことを、コミュニケーションコストと呼びます。
多忙なビジネスの世界では、特にコミュニケーションコストを下げて、短時間かつ正確に伝えることが求められます。PREP法は、コミュニケーションコストの削減に有効な手法のひとつです。
DESC法とは——アサーティブに自己主張する技術

DESC法とは、D(Describe:状況を描写)→ E(Express:気持ち・意見を表現)→ S(Specify:具体的な提案)→ C(Choose:選択肢を示す)の順で伝えるフレームワークです。
感情的にならず、かつ自分の意見をしっかり伝えるための型です。特に意見の対立、ことわりの場面、フィードバックの場面で力を発揮します。
アサーティブなコミュニケーションの基盤である、「相互尊重かつ誠実に自己主張する手法」のひとつが、このDESC法です。DESC法はアサーティブな考えに基づいた手法であるため、このフレームワークを学ぶことによって、相手を尊重しながら、しっかり自己主張できる伝え方が身につきます。
DESC法の4つのステップ
| ステップ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| D(Describe) | 状況を描写する | 客観的な事実・状況を述べる。感情的な評価は入れない |
| E(Express) | 気持ち・意見を表現する | 「私は〜と感じています」の形で自分の意見を伝える |
| S(Specify) | 具体的な提案をする | 「〜してほしい」「〜はいかがでしょうか」と具体的に提案する |
| C(Choose) | 選択肢を示す | 相手に選択の余地を与える。合意や代替案を提示する |
職場でのDESC法の活用例
【場面:無理な依頼を断る】
D(状況):現在、本部長から依頼されているE案件の締め切りが今週末に迫っている状況です
↓
E(気持ち):その中で部長からF業務もお引き受けするのは品質に影響が出る可能性があると感じています
↓
S(提案):来週以降であればお引き受けできます
↓
C(選択肢):今週中に必要な場合は、対応など一緒に整理させていただけますか?
これは、上司から突然依頼された業務を柔らかく断る場面において、DESC法を使った効果的な活用例です。
会話全体では、相手を尊重しつつ自己主張することで、無理な依頼をやわらかく断っています。会話のカドを立たせず、相手を不快にさせていません。相手に状況を理解してもらい、もし実施する場合の選択肢を提供しています。
部長の上長である本部長からの案件を抱えていると伝えることで、部長としては無理に依頼しにくい状況になります。また、代替案として、来週以降であれば引き受け可能と提案しつつ、もし今週中ならば一緒に整理する(優先順位や他のリソースなど)ことも選択肢に含めて提案しているところがポイントです。
【場面:部下へのフィードバック】
D(状況):業務改善で提案してくれた勤務管理ソフトの更新は審議の結果、不採択になりました
↓
E(気持ち):勤務管理だけの改善では部分最適に留まり、業務改善の効果が薄いことが理由でした
↓
S(提案):所属部署だけではなく、総務・人事業務にも通じる全体最適の視点ならば効果をPRできるでしょう
↓
C(選択肢):再提案に向けて、総務担当者と協力しながら、会計・労務の統合管理ソフトの選定、費用対効果を検討してほしい
これは、上司から部下に、提案の不採択を通知する場面において、DESC法を使った活用例です。
全体では、提案した部下の前向きな姿勢を尊重しながら、不採択の理由も添えて結果を伝えています。また、全体最適の視点で再挑戦すれば、効果をPRできて採択につながる可能性を示すなど、部下の提案マインドの維持にも配慮しています。伝えにくい結果通知を、再挑戦の代替案とセットにして、適切にDESC法で伝えています。
これを受け止めた部下は、「不採択で残念だった」だけでは終わらないでしょう。全体最適の視点で再提案するきっかけをもらったことで、提案マインドを絶やさずに、再挑戦することができます。総務担当者と協力して、統合管理ソフトの比較という選択肢もあり、次回提案に向けて動き出せる条件は十分です。
このように、相手を尊重しながら、しっかり自分の主張を伝えるーーすなわち、アサーティブなスタイルを基盤にしたDESC法のコミュニケーションを取り入れると、職場の人間関係がうまくいき、業務が円滑に進むことが期待できるでしょう。
DESC法が効果的な場面
- 無理な依頼を断る場面
- 上司・同僚・部下へのフィードバック
- 意見が対立したときの調整
- 感情的になりやすいクレーム対応
PREP法とDESC法——使い分けと組み合わせ方
2つのフレームワークは、目的と場面によって使い分けることをおすすめします。
| フレームワーク | 主な目的 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| PREP法 | 論理的に伝える・説得する | 報告・提案・説明・プレゼン |
| DESC法 | 感情的にならずに自己主張する | 断り・フィードバック・意見の対立・交渉 |
また、2つを組み合わせることで、より説得力の高いコミュニケーションができます。たとえば「PREP法で提案を論理的に伝えた後、相手が難色を示した場合ではDESC法に切り替えて調整する」という流れです。これは、ビジネス交渉の場面で特に有効です。
体験型研修だからこそ身につく——「知っている」から「使える」へ
PREP法・DESC法はシンプルな構造ですが、「知っている」と「使える」の間には大きな壁があります。実際の場面では、相手の反応を見ながら瞬時に言葉を選ぶ必要があるからです。
キャリアデザインXPのコミュニケーション研修では、職場を想定したシナリオをもとに、ペアワーク・グループワーク・ロールプレイで繰り返し実践します。また、研修では参加者同士の相互フィードバックを通じて、自分の伝え方のクセや改善点を客観的に把握することができます。
「明日の職場からすぐ使える」スキルとして定着させることが、本研修のゴールです。
※コミュニケーション研修の詳細・プログラム内容はこちらから↓
研修後のアフターフォロー
研修でPREP法・DESC法を学んだ後、職場で実践する中で「うまく使えない場面がある」「このケースでは、相手の反応にどう対応すればいいか」といった新たな疑問が生まれることがあります。
キャリアデザインXPでは、研修後に参加者へのキャリア相談にも対応しています。国家資格キャリアコンサルタントが、一人ひとりの状況に合わせて個別にサポートします。
よくある質問
-
PREP法とDESC法はどちらを先に学べばいいですか?
-
まずPREP法から習得することをおすすめします。PREP法は報告・提案など日常的な場面で使う頻度が高く、端的かつ論理的に伝える基本構造を身につけることができます。その上でDESC法を加えることで、より多様な場面に対応できるようになります。
-
管理職でなくても使えますか?
-
はい、この研修は若手社員から管理職まで幅広く活用できます。特にPREP法は入社してすぐに遭遇する報告・相談・依頼の場面で即効性が高く、早い段階で習得することでその後のキャリア形成にも有効に活用できます。
-
オンラインの研修でも学べますか?
-
コミュニケーション研修は会場でのロールプレイ・グループワーク・フィードバックを重視した体験型研修のため、集合リアル形式のみの対応となっています。
まとめ

PREP法は「論理的に伝える構造」を、DESC法は「感情的にならずに自己主張する方法」をもたらします。2つとも職場の伝え方を変える実践的フレームワークです。
それぞれを場面に応じて使い分け、組み合わせることで、報告・提案・断り・フィードバックなど、職場のあらゆるコミュニケーション場面に対応できる伝え方ができるでしょう。
知識として「知っている」だけでなく、体験型研修で繰り返し実践することで「使える」スキルに変えていきましょう。
▼関連記事リンク
この記事を書いた人

小栗 裕二 キャリアデザインXP代表
国家資格キャリアコンサルタント、2級ファイナンシャルプランナー。前職NHKで1000人以上のキャリア面談経験。キャリア相談では、理論と実践経験を活かした伴走型支援でお客様のお悩み・課題に対応いたします。ビジネス研修では、多くの海外プロジェクトで培った経験と知見を盛り込んだプログラム内容で研修サービスを提供いたします。



